がん検診の受診率を向上させたい。具体的な取り組みと3つの対策

特定の年齢になると、胃がん・子宮頸がん・肺がん・乳がん・大腸がんの5つの種類について、対象となる年齢と受診する間隔が推奨という形で定められています。しかし、自治体から検診のお知らせが届いても受診をしない人や、会社から健康診断のお知らせを告知しても受診しない人が多く困っている担当者も多いのではないでしょうか。ここでは、がん検診の受診率が低く、自発的に検診を受けるようになるための意識改革として、具体的な取り組みと3つの対策についてご紹介したいと思います。

がん検診を受けない理由

参考:厚生労働省:がん検診受診率向上に向けた これまでの取り組み

厚生労働省はがん検診を受けない理由について調査したところ、上記のような結果になりました。受けない理由に着目してみると、時間的な問題と、健康に対する自信、そして検査に対する不安と、見つかってしまった時の不安が多いことが分かります。

心配な時はいつでも受診できるからという意見もありましたが、がん検診は、症状が出てからでは病状が進行している可能性があるため、早期発見が最も重要なポイントになるのです。

その他にもがん検診を知らないという意見もあり、がん検診を行う重要性が分からないため、検診にいかない理由に繋がっているようです。

時間がない

会社や自治体が検診の時間と場所を指定してくれるケースもありますが、自分で場所を探して予約を取らなければいけない場合もあります。

予約するためには、日程や時間の調整をする必要があるため、これらの調整に時間をかけられずがん検診を見送る人も多くいるようです。

健康に自信がある

がん検診の最大の目的は、早期発見と治療を行い死亡するリスクを減らすことです。しかし、適度な運動や生活管理を行っている人の中には、健康に対する自信があるため、自分には必要ないと、過信してしまう人も少なくありません。

厚生労働省の調査でも、がん検診を受けない理由の第2位に健康に自信があるため必要性を感じないとい回答した人が29.2%もいました。

検査に対する不安

健康に自信があるという人がいる反面、検査に対する不安を抱えている人もいます。痛みに弱い人や、苦痛を伴う検査を行った経験がある人は、検査がトラウマとなってしまい、躊躇してしまうものです。

痛みや不安を伴い、その後、がんが見つかってしまったらという思考になってしまうと、足が遠のいてしまうのではないでしょうか。

がんが見つかってしまった時の不安

検査には、必ず結果が数値として表れます、結果次第では初期のがんと診断されてしまったらと不安に思う人もいるため、「もしもがんが見つかってしまったらどうしよう。」という不安感から検査を躊躇する人もいます。

さらに、年齢を重ねれば重ねるほど、受診が推奨されるがん検診の項目も増えるため、仕事や、家庭のことを考えると、検査の案内が来てもスルーしてしまう人が増えているのです。

受診率向上のための取り組み

厚生労働省の調査結果を見ると、受診を推奨されている人ががん検診を受診しない理由が明確になっています。そこで、これらの理由を踏まえてどうすればがん検診を受診するのか、受診率を上げるための取り組みについて考えてみたいと思います。

検診に対する意識改革

がんは早期発見し、治療により死亡するリスクを減らすことができます。しかし、がんと診断されると死をイメージしてしまう人も多いので、がん検診に対する意識改革が必要です。

厚生労働省の調査では、生涯のうちがんになる確率は、男性が49%、女性が37%という結果が報告されました。

がんは身近な病気であり、誰が発症してもおかしくないという事を改めて対象者に意識させる事が大切です。

がん検診の精度は年々高くなり、痛みに不安がある人もでも受診が可能な検査方法も確立されてきています。さらに、検査は安全が保障されており、症状がない人が受けてこそ早期発見に繋がることを伝える必要があります。

定期的に送られてくる「がん検診のお知らせ」では、開封さえしない人も、がん検診がなぜ必要のかが一目で分かるリーフレットを同封するだけで、検診に対しての意識は変わります。

分かりやすい資料を同封しただけで、乳がん検診の受診者が130人も増えた事例が厚生労働省の資料には公開されています。

東京都保健福祉局が作成した下記のリーフレットも参考にしてみましょう。胃がん・子宮頸がん・肺がん・乳がん・大腸がんの検査内容や概要について分かりやすく解説しています。

参考: 東京都保健福祉局

時間・予約など受診のハードルを調整する

かかりつけ医がない場合は、病院を探すところからはじまるため、非常に手間がかかります。集団でがん検診が受けられるような大規模な会社なら、時間と場所を指定して受診する環境を整備してあげましょう。 

場所の確保と誰が何時から受診するかなどのスケジュール化、そして費用負担や支払い方法などについても事前に調整します。無償化や一部負担などの特典があると、受診するメリットが感じられるので、なるべくハードルを下げて、効率的に検診が受けられるような環境を作るようにしましょう。

自発性を促すメッセージを伝える

がん検診は、受診の対象年齢になると検診のアナウンスが行われます。毎年多くの住民に対して対象者を絞り、がん検診の告知を行っている自治体では、受診率が低く頭を悩ませていました。

八王子市では、対象者に郵送していた大腸がん検診の一部に、「受診しないと来年は検診票が送付されなくなります」との文言を入れたことで、受診率が大きく向上したという事例がありました。

これは、対象者が損失機会が失われると感じたため、自発的に検診に行くきっかけとなったのです。

厚生労働省は「明日から使えるナッジ理論(第2版)でえ具体的に6つの事例を紹介しています。

以下引用

1.    選ばなくていいは最強の選択肢

2.    明確な指示に対しては素直に従う

3.    得る喜びよりも、失う痛み

4.    みんな気になる、みんなの行動 

5.    約束は守りたくなるのが、人の性

6.    狙うのは、心の扉が開く瞬間

引用:明日から使えるナッジ理論

 八王子市の事例は、3の得る喜びよりも、失う痛みをうまく活用した事例になります。

上記の「明日から使えるナッジ理論」では、受診率向上となるヒントがたくさん紹介されているのでぜひチェックしてみてください。

未受診者に対して受診勧奨を行う

受診しない人の中にも、全く受けたことがない人もいれば、予定が合わず受けられなかった人、また、過去に1度だけ受けたことはあるけれど、不定期の受診になってしまったという人もいます。

そこで、過去の受診履歴を分析して受診率の低い人から個別に勧奨を行います。受診しなかった理由の聞き取りをした上で、ナッジ理論の「みんな気になるみんなの行動」を、数値化して提示してみましょう。

思ったより受診している人が多く、自分もやらなければいけないという意識改革に繋がるケースもあります。

検診の精度の高さや安全性を伝えた上で、いつ受診するのか約束をすると、自分の信頼にも関わってくるので、約束を実行し検診に行くきっかけにもなります。

がん検診を定着させるための3つの対策

5つのがん検診の対象年齢と検診を実施する間隔は以下のようになり、40歳以上になると毎年なにかしらのがん検診を受診することになります。

これらのがん検診を定着させるための3つの対策についてご紹介していきましょう。

受診しない場合のリスクを提示

受診しない場合の最大のリスクは、早期発見が遅れることにより死亡リスクが高まってしまうことです。また、がん以外の病気が見つかるケースも増えてきていますが、検診を受けないとがんはもちろん、他の病気の発見にも至りません。

発見が遅くなればなるほど、治療にかける期間や費用も増すので、生活・身体・そして費用面で負担が増えてしまいます。

個人に合わせて選択肢を増やす

集団での検診は時間や場所も確定してもらえるので、便利ですが、他の人には知られたくないという人や、自宅の近くで受診したいという人。また、信頼している主治医がいる病院で受けたいという人もいます。 

検査を一括で行うと、集計作業は早くなりますが、個人の意思が反映されないため、予定が合わず受診を見送らなければいけないケースも出てきます。そこで、個人に合わせて受診する医療機関や検査の終了期間の目安を長めに取り、受診意欲がある人の意思が尊重できる環境も作ってあげましょう。

受診率は数字を用いて開示

どんな対策を取ったとしても、受診率が100%になることはあり得ません。でも、少しでも受診する人が増え、早期発見から治療に結びつくよう受診率は数字を用いて公開しましょう。これは、ナッジ理論の、4.みんな気になる、みんなの行動をうまく活用するためです。

そして、次の目標として、数パーセント上乗せした数字で掲げることで

2,明確な指示に対しては素直に従う

5, 約束は守りたくなるのが、人の性

6, 狙うのは、心の扉が開く瞬間 

上記の3つも同時にアプローチすることができます。人の行動や心理を上手に活用して、がん検診の受診率向上のヒントにしてみてください。

まとめ

がんで亡くなる人は年々増え、男性は2人に1人、女性は3人に1人発症する病気となってきました。しかし、早期発見で治療をすれば死亡するリスクを減らすことができます。

そのためには、がん検診は必要不可欠になるので、命を守る大事な検診を受けるための仕組みづくりのヒントにしてみてください。

がん検診受診率向上サービス【がんケア】について

本記事で紹介したようながん検診受診率を向上させる取り組みは様々な企業や自治体で行われていますが、受診率の数値がなかなか思うように改善しないと悩んでいる推進担当の方も多いかと思います。そんな担当者様の問題を解決させるため、弊社ではSNSなどのチャットコミュニケーションを活用し、がん検診受診率を向上させるサービス「がんケア」を提供しています。がんケアはナッジ理論などを使ったコンテンツをSNSなどのコミュニケーションツールを通してわかりやすくがん検診受診の対象者へ送り検診受診の重要性を知ってもらい、より検診を受けることを身近に意識してもらうことで「がん検診の受診率を向上」させるサービスです。

サービスの紹介については下記のページにて紹介しています。上記の様な課題をお持ちの方はぜひお気軽にご相談くださいませ。

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